コスメショップとは?|これから店頭展開を考えるコスメブランドが知っておきたいこと

【商品展開・店頭導入】

こんにちは。
ブランディングディレクター|事業構造パートナーの松本カヅキです。

コスメショップとは、一般には、化粧品を中心に扱う専門店や売り場を指します。

この記事では、狭い意味でのコスメ専門店だけでなく、メーカーやブランド側から見た、コスメの主な実店舗展開先まで含めて整理します。

実際にコスメが販売されている場所は、コスメ専門店だけではありません。百貨店、バラエティショップ、ドラッグストア、セレクトショップ、おみやげ店、ホテル、温浴施設、サロンなど、さまざまな実店舗で扱われています。

メーカーやブランド側から見ると、どこで展開するかによって、同じ商品でも見られ方や伝わり方が変わります。

私はこれまで、ブランドメーカー側の立場で、コスメ約500アイテムの商品展開・店頭導入に携わってきました。また、卸営業として、約8,000種類のコスメアイテムを扱ってきました。

その経験から、コスメが販売されている主な実店舗と、自社商品の展開先を考えるときに見ておきたいことをご紹介します。

コスメを扱う主な実店舗の種類

百貨店では、商品そのものに加えて、ブランドの背景や接客、売り場での体験を含めて価値が伝えられます。

どのような商品を扱っているかだけでなく、売り場全体の中でブランドがどう見えるかも関係してきます。

大型バラエティショップには、コスメのほか、日用品、生活雑貨、文具、食品など、幅広い商品が並んでいます。

新しい商品や、SNSなどで気になっていた商品に実際に出会い、手に取って確かめられる売り場でもあります。
バラエティショップの役割については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

👉 [バラエティショップとは?|雑貨・コスメブランドが店頭展開で知っておきたいこと

コスメ専門ショップには、大きく分けると、複数のブランドから商品を選べるセレクト型と、一つのブランドの商品や世界観をまとめて伝えるブランド型があります。

セレクト型では、同じカテゴリーの商品と比較される中で、特徴や価格、使い方がどう伝わるかが見られます。ブランド型では、商品だけでなく、店舗空間や接客を含めて、ブランドの考え方を伝えやすくなります。

生活雑貨店でも、暮らしや美容、セルフケアといった文脈の中でコスメが扱われています。

店舗の呼び方だけで分けるよりも、どのような顧客が訪れ、どの商品と一緒に並び、どのように選ばれるのかを見る方が、展開先を考えやすくなります。

日常的に利用される店舗では、買いやすさや価格、商品の分かりやすさが求められる場面が多くあります。

多くの商品が並ぶ中で、誰に向けた商品なのか、どのように使うのかが、短い時間でも伝わるかを見ておきたい売り場です。

ライフスタイルショップやファッションセレクトショップでは、衣服やインテリア、生活雑貨などと一緒にコスメが並ぶことがあります。

商品の機能だけでなく、その商品を使う人の暮らしや過ごし方まで含めて見られる売り場です。店舗が持つ雰囲気や、ほかの品ぞろえとの相性も関係してきます。

おみやげ店、ホテル内の売店、スパや温浴施設などでも、コスメは扱われています。

旅行や滞在、入浴後のケアといった、その場所で過ごす時間と結びついて商品が選ばれることもあります。

普段の買物とは異なる場面で、なぜその商品を手に取るのか。その場所に置かれる意味まで考えておきたいところです。

エステやヘアサロンでは、施術や接客を通して商品を知ってもらえることがあります。

実際に使いながら、特徴や使い方を説明できることは、一般的な小売店とは異なる点です。

一方、サロンで扱われてきた商品を、その後コスメショップやバラエティショップへ広げる場合には、接客がなくても価値が伝わる見せ方を改めて整える必要があります。

同じコスメでも、売り場によって見られ方が変わる

同じ商品であっても、どこに並ぶかによって、受け取られ方は変わります。

百貨店で接客を受けながら見る商品と、ドラッグストアで日用品と一緒に見る商品では、顧客が期待していることも異なります。

サロンで実際に使ってもらう商品と、バラエティショップで初めて見つける商品でも、購入までの流れは同じではありません。

どちらが良いという話ではありません。

その商品を、誰に、どのような場面で手に取ってもらいたいのか。

その売り場で、何を確かめてもらいたいのか。

商品が持つ価値と、売り場で期待されていることが重なっているかを見る必要があります。

また、価格や取引条件も、展開先と切り離して決めるものではありません。小売店や問屋を介する場合には、掛率や、それぞれが担う役割も変わります。

👉 [卸価格の相場ってどう決まる?|ブランド力で変わる“価値の分け方”

自社コスメの展開先を考えるとき

店舗数が多いから、有名な売り場だからという理由だけで、展開先を決めるのは少し早いかもしれません。

まず見ておきたいのは、誰が使う商品なのか。その人は、どこで商品を知り、どのような状態で実物に触れるのかです。

どのような場所で販売され、どのような顧客と出会ってきたのか。その一つひとつは積み重なり、ブランドの履歴書のように残っていきます。

そのため、現在どこに置くのか、次にどこへ広げていくのかは、販売先を増やすだけの話ではありません。商品の見られ方や、その後の展開にも関わってきます。

香りや質感、色味、使用感を試すことに意味がある商品であれば、実物に触れられる売り場は大きな接点になります。

一方、SNSやECですでに関心が育っている商品であれば、実店舗は、それまで画面の中で見ていた商品を確かめる場所になるかもしれません。

ECやネット販売から実店舗へ販路を広げるときに、売り場を探す前に整理しておきたいことはこちらの記事で紹介しています。

👉[ECから実店舗へ販路を広げるには?|小売店への卸・店頭展開前に整理したいこと

展開先は、商品を置いてもらえそうな店舗を探すだけでなく、これまでの展開と、これからつくっていきたいブランドの見られ方をつなぎながら考えておきたいところです。

バイヤー商談では、現在の展開先や今後の予定、商品の価格、販促の考え方なども確認されます。

商談前の準備や営業ルートについては、こちらの記事で紹介しています。

👉 [大手バラエティショップなどのコスメ・雑貨バイヤー商談について。

実店舗とネットをつなぎ、「買い場」をつくる

ネットで商品を知り、店頭で試す。

店頭で初めて知り、その場で口コミや公式サイトを調べる。

実店舗とネットは、メーカーから見ると別々の販路に見えますが、買う人にとっては、ひと続きの流れになっています。

商品を知り、店頭で実物に触れ、納得して購入する。購入したあとも、必要な情報にたどり着き、必要になったときにもう一度買える。

私は、この前後までがつながった状態を、店頭の「売り場」だけではなく「買い場」として捉えています。

コスメを扱う実店舗は、その流れの中で、商品と顧客が実際に出会い、香りや質感、色味、使用感を確かめられる場所になります。

どの売り場に置くかだけでなく、店頭で生まれた関心を、その先の情報や購入後の接点へつなげられるか。

コスメショップへの展開や店頭導入では、そこまで含めて考えておきたいところです。

まとめ|コスメを扱う実店舗への展開を考えるとき

コスメが販売されている実店舗は、コスメ専門ショップだけではありません。

百貨店、バラエティショップ、量販店、ドラッグストア、セレクトショップ、ホテル、サロンなど、さまざまな場所で、商品と顧客の接点がつくられています。

業態によって、商品の見られ方や、顧客が期待していることは変わります。

どこに置き、どのような顧客と出会ってきたのかは、ブランドの履歴として残っていく。

そして、店頭での出会いを、その前後の情報や購入後の接点までつなぐことで、売り場は買い場になっていきます。

自社コスメの店頭展開は、商品と売り場、その先にある流れを整理するところから始まります。

コスメの展開先だけでなく、価格や取引条件、営業ルート、バイヤー商談、導入前後の販促まで含めて店頭展開全体を確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

👉[商品を店舗で販売するには?|小売店への卸・店頭展開の5ステップ

自社コスメの展開先を整理したい方へ

自社コスメの展開先を考えるときには、店舗数や知名度だけでなく、商品の価値、顧客、売り場との相性、価格、商談での伝え方までを一つの流れとして見ておく必要があります。

商品展開・店頭導入サポートでは、自社商品の現在地を確認しながら、どの価値を、どの売り場で、どう伝えるかを一緒に整理しています。


ブランディングディレクター|事業構造パートナー
松本カヅキ