はじめに
「展示会でいろいろ商品を並べているけれど、結局何屋さんか伝わらない」
「取引先からの要望で商材が増え、カタログが分厚くなるばかり…」
そんな声を、中小企業の卸会社やBtoBビジネスを営む企業からよく耳にします。
卸会社は取引先のニーズに応えることで成長してきた歴史があり、商材が増えるのは自然なこと。
けれど、中小企業の場合はその柔軟さが裏目に出て、
- 「結局どんな会社なのか?」が伝わりにくい
- 価格競争に巻き込まれる
といった課題に直面しがちです。
実は、この「バラバラさ」こそがブランディングの大きな伸びしろなのです。
今回は、中小企業の卸会社やBtoB企業にこそ活かしていただきたい2つの視点をご紹介します。
視点①|バラバラな商材を「カサ」でくくる
事業や商材が増えると、「全部を見せたい」と思うあまり、商談や展示会での打ち出しが散漫になりがちです。
ここで役立つのが 「カサ構造ブランディング」 という考え方です。
つまり、個々の商品をそのまま並べるのではなく、上位の“意味”でまとめて見せるという発想です。
例えば──
- 「幅広い業種の商品を一括で調達できる便利さ」
- 「特定分野に強い専門セレクト力」
- 「顧客の課題解決をトータルで提案できる力」
こうした“カサ”を設計することで、単なる商材リストが「提案ストーリー」へと変わります。
展示会や営業の現場でも「結局何ができる会社なのか」が一言で伝わりやすくなるのです。
👉 詳しくは 中小企業のブランディングは“カサ構造”で整える でも解説しています。
視点②|“目利き力”をブランドにする
もうひとつの視点は 「目利きブランディング」 です。
中小企業の卸会社は日々、膨大な商材の中から取扱いを選び取っています。
実はその選定には、表に出していない「こだわり」や「大切にしてきた基準」が必ずあるはずです。
例えば──
- 独自の品質基準をクリアした商品のみ扱う
- 現場の声を反映して商品を選んでいる
- 顧客にとって安心できるメーカーとの取引を優先する
こうした判断軸は普段は意識されていないかもしれません。
けれど、その積み重ねこそが取引先にとっての“信頼の証”になります。
この「なぜこの商品を扱うのか?」という選定基準を言語化すれば、取引先に「この会社に任せれば間違いない」と思ってもらえる。
逆に、基準を曖昧にしたまま商材を増やすと、「なんでも屋」に見えてしまい、差別化できません。
👉 この考え方については 中小企業のブランディングは“目利き”で整う でも詳しく解説しています。
実務への落とし込み
「カサ」と「目利き」を整理したら、それを具体的に事業の発信に落とし込むことが重要です。
<一例>
営業資料・カタログ
商品一覧ではなく、「解決できる課題ごとのストーリー」にまとめる。
展示会ブース
商材の羅列ではなく、「何を解決する会社か」を示す一言を軸にする。
Webサイト
商品検索機能だけでなく、「選定基準」「導入事例」「顧客課題への提案」を掲載する。
👉 こうした“仕組み化”の視点は、
中小企業のブランディングは外注できる?失敗しない“進め方”のポイント にもつながります。
まとめ
中小企業の卸会社やBtoB企業は、取引先対応の中で商材が増え、バラバラに見えるのは自然なこと。
しかし──
- カサ構造でまとめる(提供価値で整理する)
- 目利き力を言語化する(選定基準をブランド化する)
この2つを仕組み化することで、「商材の多さ=強み」へと変わります。
これまで積み重ねてきた商材選びの裏には、必ず自社ならではの「こだわり」が隠れています。
そのこだわりに気づき、言葉にすることこそが、中小企業のブランディングの第一歩です。
価格競争から抜け出し、長期的に選ばれる卸会社になるために。
今こそ、自社の“バラバラ”を整理して「信頼の仕組み」に変えていく時です。
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