展開される「場」がブランディングにとって大切なんじゃないかと。

ブランディング
a store filled with lots of bottles of alcohol

バラエティショップやコスメショップにおいて、どこの「売り場」を狙っていくか、どこで陳列展開されるか、によってブランディングに大きく関わるので非常に重要です。

それは、ブランドサイドからの“メッセージ”とも捉えることができると思われます。

逆に、売ってくれるならどこでもいい、というスタンスは、きちんとブランドとしての考え方をもっていないとバイヤーに判断されるだけでなく、もちろんユーザーにも気づかれてしまうので要注意です。

ある知育産業系のクライアントから、「フィンランドから輸入してきたキシリトール100%のガムを全国展開のショップで販売したい。」というざっくりしたご依頼を頂きました。

実際に、コンビニやスーパーでは、すでに大手菓子メーカーが菓子コーナーにキシリトール100%のガムを大々的に展開していました。もちろん、そんな「場」に、競争意識で新規参入したところで太刀打ちできません。

“宣伝してくれて、下地をつくって頂いてありがとう”という捉え方。

逆に、キシリトール成分の効果や効能などについては、大手菓子メーカーが菓子コーナーで大々的に宣伝してくれている、というメリットとして捉えることにしました。

そこで、それ以外の「こだわり」ポイントをしっかり訴求しようということで、比較的原価の高いガムベースを使用していたので、その点に着眼し、『噛む』ことにこだわったガムという切り口でブランディングしていくことにしました。

キシリトール100%に関しては、すでに他社がたくさん宣伝してくれているので、あえて第一前面に出すのではなく、さらっと“もちろん当たり前”かのような見せ方にしました。

『噛み心地の良さと噛み続けられることにこだわりました』という切り口です。

そして、「噛む」という行為はいかに美容にいいか、という切り口で、「オーラルケア」商品として訴求していったのです。

パッケージも洗練されたデザインにし、粒単価でいくと、お菓子としてのキシリトールガムより3~4倍となる上代設定をしました。

高い設定の方が“こだわっている”という説得力が増すと考えたからです。

結果的に、
各種女性ファッション誌の
「オーラルケア」ページに掲載
(※スキンケア・ヘアケア・ボディケアなどに次いで、年に何回か、各誌にて特集されます。)され、
ハンズなどのバラエティショップやコスメショップの「オーラルケア」コーナーにおいても好調な売れ行きで、
全国で定番展開扱い商品となり、
歯科業界専門の通販雑誌やヘア/エステサロンやスポーツクラブでのレジ横での販売もされるようになりました。

もちろん、「噛む」という行為は、「いかに美容にいいか、身体に良いか」について、店頭POPなどを通じて知って頂く機会としました。

状況によるかとは思いますが、どんなブランディングでいくか、どのカテゴリーとしてどこの展開場所を狙うか、を決めてから、パッケージデザインなどを進めてみることもオススメです。