店頭導入の決め手になる「話し方」「資料」「タイミング」
「バイヤーとの商談まではいけた。でも、そこから先に進まない……」
そんな悩みを持つブランド担当者、実は少なくありません。
そして、その原因をたどると──
商品の魅力が足りないからではなく、
「どんな販路で、どんな売り場に置かれるのか?」という設計や、
それを伝える営業資料・トークの不備が多いのです。
本記事では、コスメや雑貨の店頭導入支援の現場から、
「伝わる営業の仕組み」について、具体的な準備内容をご紹介します。
“伝わる営業”は「話し方」「資料」「タイミング」の掛け算
商品力があるのに商談で断られる…そんなケースでは、
「話し方」や「資料の構成」、「営業のタイミング」が原因となっていることが多いです。
大手ショップのバイヤーは、週に何十件という商談を受けています。
だからこそ、
「どんな売り場で、どう並ぶかが具体的に想像できる」
という“見せ方設計”がされているかどうかが重要。
事前に整えておくべき営業資料は、たとえば:
- ブランド概要書(世界観・構成・導線)
- 販促物のダミー(POP・リーフレットなど)
- 条件書・スケジュール表・出荷仕様など(※代理店経由の場合、条件書等はバイヤーには不要)
商品単体の魅力だけでなく、売り場でどう見えるかを示すことがカギです。
口コミプロモーションは“商品づくりの一部”と考える
「口コミ」は自然に発生するもの…と思われがちですが、
実際には設計と仕込みが重要。
例えば、コスメや美容雑貨では、
「まずは口コミプロモーションから始めましょう」
とアドバイスすることも多くあります。
ある調査では、「口コミがなくてもコスメを買う」と答えた人はわずか5%未満。
つまり、口コミは今や“購入判断の大前提”なのです。
口コミは信頼を得る仕組みであり、もはや開発コストに含めるべきもの。
たとえば過去支援では:
- SNS投稿者の選定&時期調整
- 美容師や座談会コメントを販促物に反映
- ブランド概要書に「現在の口コミ状況」や「今後の施策」を記載
といった、初期段階からの口コミ設計が成果につながっています。
バイヤーが知りたいのは「売れる根拠」
バイヤーが商談で本当に見ているのは、
- この商品は誰に売れるのか?
- 売り場でどう展開するのか?
- SNSや口コミなどの“仕込み”があるのか?
つまり、「売れる根拠」がどれだけ用意されているか。
資料、営業トーク、販促物、導線図、スケジュール──
そのすべてを使って「この商品、売れそう」と思わせることが重要です。
「このブランドは、売り場まで考えてくれている」
と思ってもらえるような仕掛けと設計が、信頼される営業につながります。
導入後のプロモーションと“たどり着く場所”の整備
インフルエンサーのPR投稿を見て商品に興味を持っても、
その先の情報が「企業発信」だけでは、ユーザーは冷めてしまいます。
たどり着く先に:
- @cosmeやLIPSのレビュー
- 一般ユーザーのリアルな写真付き口コミ
- 本音の投稿や感想記事
があれば、信頼度・購買率は大きく変わります。
だからこそ、SNS投稿と連動して、
「どこにたどり着いてほしいのか?」
「その先に、どんな信頼材料を置くか?」
を戦略的に整えておくことが、導入成功のカギになります。
まとめ|“売れる”営業は、商談の前に始まっている
- 売れる商品か?だけでなく「売り場で売れる設計」か?
- 営業資料・話し方は“使う人の視点”で構成されているか?
- 口コミは初期段階から“仕込む設計”になっているか?
- 導線の先に“信頼できる第三者の声”があるか?
「商品の良さ」だけで勝負する時代は終わりです。
“売れる仕組み”を、商談前から準備しておくこと。
それが、バイヤーに選ばれる営業力の正体です。
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