【Vol.4】営業の仕組みを設計する|バイヤーに届く“話し方・資料・口コミ”の型

【商品展開・店頭導入ノウハウ】シリーズ

店頭導入の決め手になる「話し方」「資料」「タイミング」

「バイヤーとの商談まではいけた。でも、そこから先に進まない……」
そんな悩みを持つブランド担当者、実は少なくありません。

そして、その原因をたどると──

商品の魅力が足りないからではなく、
「どんな販路で、どんな売り場に置かれるのか?」という設計や、
それを伝える営業資料・トークの不備が多い
のです。

本記事では、コスメや雑貨の店頭導入支援の現場から、
「伝わる営業の仕組み」について、具体的な準備内容をご紹介します。


“伝わる営業”は「話し方」「資料」「タイミング」の掛け算

商品力があるのに商談で断られる…そんなケースでは、
「話し方」や「資料の構成」、「営業のタイミング」が原因となっていることが多いです。

大手ショップのバイヤーは、週に何十件という商談を受けています。
だからこそ、

「どんな売り場で、どう並ぶかが具体的に想像できる」

という“見せ方設計”がされているかどうかが重要。

事前に整えておくべき営業資料は、たとえば:

  • ブランド概要書(世界観・構成・導線)
  • 販促物のダミー(POP・リーフレットなど)
  • 条件書・スケジュール表・出荷仕様など(※代理店経由の場合、条件書等はバイヤーには不要)

商品単体の魅力だけでなく、売り場でどう見えるかを示すことがカギです。


口コミプロモーションは“商品づくりの一部”と考える

「口コミ」は自然に発生するもの…と思われがちですが、
実際には設計と仕込みが重要。

例えば、コスメや美容雑貨では、

「まずは口コミプロモーションから始めましょう」

とアドバイスすることも多くあります。

ある調査では、「口コミがなくてもコスメを買う」と答えた人はわずか5%未満
つまり、口コミは今や“購入判断の大前提”なのです。

口コミは信頼を得る仕組みであり、もはや開発コストに含めるべきもの。

たとえば過去支援では:

  • SNS投稿者の選定&時期調整
  • 美容師や座談会コメントを販促物に反映
  • ブランド概要書に「現在の口コミ状況」や「今後の施策」を記載

といった、初期段階からの口コミ設計が成果につながっています。


バイヤーが知りたいのは「売れる根拠」

バイヤーが商談で本当に見ているのは、

  • この商品は誰に売れるのか?
  • 売り場でどう展開するのか?
  • SNSや口コミなどの“仕込み”があるのか?

つまり、「売れる根拠」がどれだけ用意されているか

資料、営業トーク、販促物、導線図、スケジュール──
そのすべてを使って「この商品、売れそう」と思わせることが重要です。

「このブランドは、売り場まで考えてくれている」

と思ってもらえるような仕掛けと設計が、信頼される営業につながります。


導入後のプロモーションと“たどり着く場所”の整備

インフルエンサーのPR投稿を見て商品に興味を持っても、
その先の情報が「企業発信」だけでは、ユーザーは冷めてしまいます

たどり着く先に:

  • @cosmeやLIPSのレビュー
  • 一般ユーザーのリアルな写真付き口コミ
  • 本音の投稿や感想記事

があれば、信頼度・購買率は大きく変わります。

だからこそ、SNS投稿と連動して、

「どこにたどり着いてほしいのか?」
「その先に、どんな信頼材料を置くか?」

を戦略的に整えておくことが、導入成功のカギになります。


まとめ|“売れる”営業は、商談の前に始まっている

  • 売れる商品か?だけでなく「売り場で売れる設計」か?
  • 営業資料・話し方は“使う人の視点”で構成されているか?
  • 口コミは初期段階から“仕込む設計”になっているか?
  • 導線の先に“信頼できる第三者の声”があるか?

「商品の良さ」だけで勝負する時代は終わりです。

“売れる仕組み”を、商談前から準備しておくこと。
それが、バイヤーに選ばれる営業力の正体です。


\あわせて読みたい/

👉 Vol.5 売れる商品は、売れ続ける仕掛けがある|店頭×ネットのハイブリッド戦略

👉 Vol.1 売れる商品企画とは?|売り場から逆算する考え方
👉 Vol.2 卸価格・利益の設計法|価格戦略の基本と注意点
👉 Vol.3 販路戦略と売り場設計|商談に進む準備のしくみ