【Vol.1】売れる商品設計とは?|「売り場から逆算する」考え方

商品企画・パッケージ設計

「商品がいいのに、なぜ売れないんだろう?」

こうした声を、数え切れないほど聞いてきました。
実はその多くが、“売れる商品”の考え方を見誤っていることに原因があります。

商品の良し悪しを判断するのは、あくまで「買う人」。
そしてその前に、買う人の目に“触れるかどうか”が大前提になります。

つまり、どれだけこだわって開発した商品でも、
・売り場に並ばなければ買われないし、
・買われなければ評価もされない、
ということです。

そこで本記事では、商品展開を見据えた方のために
「売り場に並ぶことを前提にした、商品とパッケージの考え方」
をお届けします。

商品開発を進める際、よくある順序は以下のような流れです。

  1. こんなコンセプトの商品を作りたい!
  2. パッケージデザインを考える
  3. 工場に見積もりを取る
  4. テスト販売 or OEM発注

一見、自然な流れに見えますが、
この順序だと「売れる商品」にならないケースが非常に多いのです。

なぜかというと、“売り場の基準”が入っていないからです。

たとえば:

  • サイズが規格に合っていない
  • 成分表記やコピーが薬機法的に不備がある
  • パッケージが並べにくい形状・素材になっている
    など。

これらは、バイヤーが商談の段階で気にする“最低限のチェック項目”です。
その段階でNGが出れば、どんなに魅力的な商品でも店頭には並びません。

「パケ買い」なんて言葉もあるように、デザインは重要です。
ただ、店頭に導入されるパッケージには、他にも満たすべき条件があります。

  • 棚に並べやすいか
  • 裏面表示が適切に構成されているか
  • 他の商品と一緒に陳列した際に埋もれないか
  • 表現に薬機法NGがないか

特に化粧品の場合、薬機法違反に関する表現があると、
バイヤーから「この文言だけは修正しておいてね」と指摘されることもあります。

つまり、デザイン性と同時に「売り場で通る基準」をクリアすることが必要なのです。

「このデザインどう思いますか?」という相談の多くが、
すでに「工場とのやりとりが進んでいて、今さら戻せない」段階だったりします。

でも本来は、その前に:

  • どの売り場を狙うのか
  • バイヤーは何を重視するのか
  • ライバル商品とどう並ぶか
    などを踏まえて“売れる前提”で企画するのがベストです。

企画・パッケージ・製造設計までを「逆算型」に変えるだけで、
商品は“バイヤーの選定対象”になり、
売り場に並ぶ確率が格段に上がります。

まとめ:Vol.1のポイント

次回Vol.2では、
「卸価格」や「利益設計」をどう設定すべきか?
を、実例を交えながら掘り下げていきます。
【Vol.2】価格戦略の基本|卸価格・利益設計のリアル