はじめに|ブランディング戦略は“仕組み”で動かす時代に
こんにちは。ブランディングディレクターの松本カヅキです。
これまで200社以上の現場に携わってきましたが、特にここ数年、‘ブランディング’という言葉が、さまざまな業種から注目されるようになったと感じています。
一方で、相談の場などでよく聞くのが ――
「ブランディング戦略を意識してロゴやデザインを整えたのに、なかなか成果につながらない…」という声です。
現場の推進という視点で見れば、
ブランディング戦略とは“見せ方”を整えることだけではなく、
「価値の流れ」を整理し、仕組みとして動かすこと。
ここでいう「価値の流れ」とは、
お客様にどう価値が届き、どう感じてもらい、どう次につながるか──
その一連のプロセスのことを指します。
この記事では、私が現場で実践してきた“しくみブランディング®”の考え方をもとに、
中小企業でもすぐに取り入れられる「5つの実践ステップ」を紹介します。

ステップ1|今ある事業や商品を整理する ― カサ構造ブランディング戦略
「結局この会社は何が強いのか?」
それを一言で言えないとき、まず取り組むべきが“カサ構造ブランディング戦略”です。
複数の事業や商品を、
「誰に」「どんな価値を」届けているのかという共通の軸で再定義していきます。
たとえば:
- 複数の商品やサービスを「〇〇な暮らし方の提案」として束ねる
- 多様なサービスを「地域に寄り添う支援」として括る
- 商品群を「〇〇という体験をつくる手段」として捉える
こうして“意味や価値のカサ”を見出すことで、
バラバラだった事業の関連性が見え、会社全体の「らしさ」が浮かび上がります。
また、構造的に整理するときは、
- 芯(しん):想いや強み
- 骨組み:構成・価格・体制
- 表面:デザイン・広告・SNSなど
といった層ごとに整えると、全体像がよりクリアになります。
👉 関連: 整理から“成果が出る仕組み”をつくる方法|中小企業の実践ブランディング戦略
ステップ2|“選んできた理由”を言葉にする ― 目利きブランディング戦略
「うちの強みは何?」と聞かれても、
実はすぐに出てこないことが多いものです。
そのヒントは、これまで“選んできた理由”の中にあります。
過去に扱ってきた商品や取引先、こだわって続けてきたやり方──。
そこには、あなたの会社ならではの“目利きの軸”が隠れています。
それを言語化するのが「目利きブランディング戦略」。
自社らしさを言葉にできると、発信にも採用にも一貫性が出てきます。
ステップ3|お客様との“流れ”を設計する
整理ができたら、次はお客様が知ってから選ぶまでの流れを整えます。
SNS、ホームページ、店頭、展示会などでの接点を一度“地図化”してみましょう。
たとえば:
- 知る(広告・SNS)
- 興味を持つ(ブログ・LP)
- 比べる(サービス・価格)
- 行動する(問い合わせ・購入)
- 続く(再購入・紹介)
この流れを整理すると、「どこを直せば成果が上がるか」が明確になります。
👉 関連: 中小企業のブランディング実践|“儲けにつながる流れ”をつくる仕組み
ステップ4|“伝わる言葉”に整える戦略
どんなに整理しても、伝わらなければ意味がありません。
ここで大切なのは、“お客様の主語で話す”こと。
たとえば多種類展開のマウスウォッシュの商品で ――
- Before:「いろんなフレーバーのマウスウォッシュ!」
- After:「毎日、息を着替える。」
この一言だけで、印象も購買率も変わります。
お客様の生活や感情を想像できる言葉こそ、ブランディングの力になります。
ステップ5|“買ったあと”の体験を仕組みにする実践法
ブランディングは、買ってもらうまででは終わりません。
“買ったあと”のフォローが、ブランドの信頼をつくります。
たとえば:
- 購入1週間後のフォローメール
- 1か月後の「次に役立つ提案」
- SNSでのリピート訴求
こうした小さな積み重ねが、リピートや紹介の流れを生みます。
👉 関連: 中小企業のブランディング外注|“まとめて動かす進め方”と失敗しない整理術
よくあるつまずきと解決のヒント
| よくある悩み | 解決のヒント |
|---|---|
| どこから始めればいいかわからない → | |ステップ1「整理」から始める |
| 伝えたいことが多すぎてまとまらない → | |ステップ2・4で“ひとこと化”する |
| 続かない・仕組みが回らない → | |ステップ5で“リズム化”する |
まとめ|ブランディング戦略は“整理から実践へ”
ブランディング戦略は、派手な広告やデザインではなく、
日々の仕事を「整理して仕組み化すること」から始まります。
カサ構造で全体を整え、
目利きで強みを言葉にし、
お客様との流れを設計し、
伝え方を磨き、
仕組みとして続ける。
この5つの流れが、中小企業のブランディング戦略を“動かす力”になります。
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🌿 補足|“しくみブランディング®”という考え方
『しくみブランディング®』は、
理念やデザインよりも先に「整理」から始め、
“意味と価値の流れ”で成果を出すための実践フレームです。
中小企業のリアルな現場に合わせて、
整理から実践、そしてチームや外部パートナーとの連携までを
“仕組み”として整えていくことを目指しています。
しくみブランディング®|松本カヅキ
― ブランディングは、整理で仕組みになる。 ―

