「理念やデザインは整えたのに、売上につながっていない」
「ブランディングって、結局何から始めればいいの?」
──そんな声を、これまで本当にたくさん聞いてきました。
この記事では、私自身が中小企業の現場で実践してきた
「カサ構造ブランディング」と「目利きブランディング」という考え方をもとに、
“利益を生むブランディング”を進めるための5つのステップを紹介します。
先に全体像を知りたい方はこちらもどうぞ:
中小企業のブランディング実践|儲けに直結する戦略と仕組み

ステップ1|今ある事業を整理する ― カサ構造ブランディング
多くの中小企業では、「やることが多すぎて、どこから手をつけていいかわからない」という悩みを抱えています。
そんなときに役立つのが、「カサ構造ブランディング」という整理の考え方です。
複数の事業や商品を、
- 芯(しん):会社の想いや強み
- 骨組み:商品の構成や価格、スタッフ体制など
- 表面:ロゴ・デザイン・チラシ・SNSなど見える部分
という3つの層に分けて整えていきます。
バラバラに見える事業を「意味」でまとめることで、
ブランド全体に一貫性が生まれ、発信もしやすくなります。
カサ構造の整理法はこちらでも詳しく紹介しています:
中小企業のブランディング実践整理|“カサ構造”で整える戦略
ステップ2|“選んできた理由”を言葉にする ― 目利きブランディング
次に大事なのは、「うちの強みは何か?」を言葉にすることです。
ここで役に立つのが、「目利きブランディング」という視点です。
「なぜその商品や取引先を選んできたのか?」
「なぜこのやり方を続けてきたのか?」
そこには必ず自社らしさが隠れています。
それを言葉にすることで、スタッフ・お客様・外部パートナーの間で
“共通のものさし”ができ、発信にも一貫性が出てきます。
「目利きブランディング」の考え方はこちら:
中小企業のブランディング実践整理|“目利き力”で事業を束ねる戦略
ステップ3|どう届けるかを設計する
SNS、ホームページ、店舗、展示会…。
どこで知ってもらい、どう購入・契約してもらうか。
その流れを一度「紙に書き出してみる」のがおすすめです。
- きっかけ(知ってもらう)
- 興味を持つ(読んでもらう・フォローしてもらう)
- 比べる(価格・特徴を知る)
- 行動する(問い合わせ・来店・購入)
- もう一度会う(リピート・紹介)
この流れが整理されると、「どこを改善すれば成果が出るか」が一気に見えるようになります。
実際の導線改善で成果が出た事例はこちら:
中小企業のブランディング実践|儲けに直結する戦略と仕組み
ステップ4|伝わる言葉と表現に整える
せっかく整理しても、「伝え方」がずれてしまうとお客様には響きません。
ここで意識したいのは、“お客様の主語で話す”ということです。
たとえば、日用品ブランドの例。
- before:「いろんなフレーバーが充実!」(売り手の視点)
- after:「毎日、息を着替える。」(お客様の生活を想像できる言葉)
この一言の違いで、購入数が5倍に増えたケースもあります。
また、美容サロンでは、
- 「あなたの魅力を引き出します」→お店目線
から - 「今日も好きだ。いこう、私の目元。」→お客様目線
へ切り替えたことで、予約数が3倍に伸びたことも。
「どう見せたいか」よりも、「どう感じてもらいたいか」。
それを意識するだけで、ブランドの印象は大きく変わります。
ステップ5|“買う前・買った後”の体験を整える
購入や契約の前後にある「小さなやりとり」が、実は一番大切です。
- 初回問い合わせや来店時のフォロー
- 商品購入後の手紙やメール
- SNSでの再接触や、次回案内
こうした“ひと手間の積み重ね”が、リピートや紹介につながります。
ブランディングとは、商品を売る仕組みだけでなく、
「また話したくなる・また使いたくなる」仕組みでもあるのです。
運用の仕組みづくりについては、こちらでも紹介しています:
中小企業のブランディング実践|儲けに直結する戦略と仕組み
外注パートナーの活かし方はこちら:
中小企業のブランディング外注|実践戦略と失敗しない進め方
よくあるつまずきと対処法
- どこから始めればいいかわからない
→ ステップ1の「整理」から始めると、方向が見えます。 - いろんなことを言いすぎて伝わらない
→ ステップ2・4で「一言で伝える」工夫を。 - 続かない・仕組みが回らない
→ ステップ5で“続けられる形”に整えるのがコツです。
まとめ|戦略的な実践で“動くブランド”へ
ブランディングは、ロゴやデザインを整えることではなく、
商売の流れにブランドを組み込むことです。
- カサ構造で全体を整理し、
- 目利きの視点で強みを言語化し、
- 届け方を整え、
- 伝え方を磨き、
- 仕組みとして続ける。
この流れを実践することで、ブランドは自然に“動く”ようになります。
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