連載|波を作るブランディング #02:「つながり」で記憶されるプロモーション

ブランディング

新商品のリリースやキャンペーンなど、単発のプロモーションを企画しても、
「なんとなく印象が薄いな」と感じたこと、ありませんか・・?

日々、かなり実践的なブランディングに揉まれている(けっこう泥臭い・・苦笑)と、
「あれ、これ前もやってたな」「またこのシリーズかも?」
と思わせる“つながりのある企画”の方が、ブランドとしては、はるかに記憶に残りやすい、
ということ、常日頃、実感したりするんですよね・・。

一つひとつは小さくても、それらが連なって“シリーズ感”を持ち始めたとき、
ブランドはただの情報発信から、
「存在感を持った空気」
に変わっていったり・・

そのあたりについて、「しくみドコロ」らしく、あれこれと。

body of water

たとえばドラマや漫画も、一話完結より連続モノの方が印象に残りますよね。
ブランドのプロモーションも同じことなんじゃないかと。

単発の企画では、その場では話題になっても、後に残る記憶としては弱くなってしまい、
でも、「あ、これ前回の続きだ」「またこのシリーズが始まったんだ」と感じられると、
“ブランド全体として記憶される”
ようになってきたりするのですよね・・。

しくみ化のポイントは、
「連続性を意識して設計する」
ことかと思います。
一度きりで終わらせず、“次につながる余白”を残しておくのがコツかなと思ったりします。

以下のような工夫でも、十分に“つながっている”印象を生み出すことができるのはないかと。

たとえば香り違いや色違いなど、
本来まとめて出せるものを、あえて2弾・3弾に分けて出す
これにより、ユーザーの期待感が持続し、
「続いてるブランド」「次も見たくなるブランド」
という印象を持たせられます。※これ、けっこう大事だったりします・・

→ 例:「第一弾は『テーマ:海シリーズ』」「第二弾は『テーマ:山シリーズ』」など、展開にリズムを!

「○○キャンペーンVol.1」「○○フェア春編」など、
同じ型で複数展開することで、ユーザーの中に“繰り返し認識”が生まれます。

「前回こうだったから、今回はこう展開する」
といったような、“物語の連なり”を感じさせると、単なる商品や企画に感情が乗りやすくなります。

「次回は秋の新色を予定しています」など、“次の波”を匂わせるだけで、ユーザーとの接点が自然と伸びていきます。

ビジュアルやハッシュタグの統一によって、たとえ発信チャネルが異なっても「ひとつのブランド世界観」が感じられるようになります。

■ 「つながり」はブランドの“体温”

ブランドの世界観は、連続して取り組むことでじわじわと形になります。
そしてそれは、単なる情報発信ではなく、
「生きているブランド」としての存在感=体温
につながるんじゃないかと。

また、連続するプロモーションは、外部への印象だけでなく、
実は、社内や関係者にとっても「次がある」というモチベーション
になったりもします。
波が続くことによって、
内と外、両方に効いてくるのです。

■ おわりに

プロモーションや企画を“つなげていく”ことで、
一つひとつがブランドのパーツになっていきます。
そしてそれが、記憶されるブランドの土台になる。

次回は、この“波”をどう“しくみ”化し、無理なく続けていけるようにするか、
をテーマにお届けしますね。
「年間でどう波を設計するのか」「小さな波の起こし方」など、
実践的な、ブランディングを軸としたしくみ作りについて、あれこれと。