前回の投稿に引き続き、自社商品を全国バラエティショップやコスメショップで展開していきたい場合、どのような販促物が必要となってくるかについて、あれこれと。(①からの続きの内容になっておりますのでご容赦くださいませ。)
■陳列什器
素材ですが、紙製やアクリルなどプラスティック製、木製など、ブランドの世界観あるいは展開店舗数や予算に応じての選択になるかと思います。
ある程度、展開店舗数が多く見込まれる場合は、紙製でも上質なものが作れるようになってきているので、アリかもしれませんね。
注意点は、小売店に好まれやすいサイズがあるということです。什器サイズによって、小売店から敬遠され、展開できる店舗が絞り込まれてしまうケースもけっこうあります。
横幅ですが、バラエティショップやコスメショップなどに多い棚のサイズは横幅900mmなので、小売店サイドは横幅300mm未満の什器だと一つの棚一段に3台置け、それ以上だと2台未満しか置けない、といった計算をします。
すでに認知されている有名ブランドだと強気でいいと思うのですが、今から発展途上のブランドを仕掛けるならば、横幅300mm未満の什器の方が取扱いできる店舗は増えると考えられます。
奥行きですが、小売店の一般的な棚サイズと前帯スペースを鑑みると、250mmくらいまでにおさえておいた方が無難に取扱いできる小売店は多いかと思われます。
コスメの場合ですと、香りやテクスチャーなどを知って頂くために、テスターの準備とテスタースペースもあった方がベターかなと。
高さですが、どうも背面ならば高くても大丈夫と思われているメーカーさんが多いようですが、背面が高い什器でも置けるのは棚の1段目だけです・・苦笑
強気に、“棚1段目に置いてもらわないと困る”といった交渉力のあるブランド、あるいは“棚1段目で展開してくれる店舗だけで取り扱いしてもらいたい”といった考えのブランドであれば、高さのある什器でも良いと思います。
ただ、少しでも取扱いしてくれる店舗が多いことを望んでいるのに、今は発展途上のブランドといった場合、小売店サイドから、(棚の2段目以下に置く場合も想定して)「この什器の背面パネルは外すことはできますか?」と聞かれたり、あるいは、メインのPRスペースが背面パネルにある什器だったりすると、背面が外されて何だかよくわからないブランドの陳列になっていたり・・・といったケースが、特になかなか遠方でラウンドしづらい店舗においての展開で、けっこう多いです・・。
棚の1段目じゃなくてもいいのでなるべく多くの店舗で展開してもらいたいということでしたら、背面パネル込みで高さ200~250mmくらいまでにおさえておいた方が無難かもしれませんね・・。
バラエティショップやコスメショップの各店舗担当者と一緒に売り場をつくる。
前回から、いくつか具体的に店頭販促物についてその特徴や仕様、ニーズの現状などについて、あれこれと述べましたが、もっとも試行錯誤しながらアップデートできるのはPOPだと思います。
制作のミニマムロットが数(十)枚単位で最も少ないということ、また、制作のリードタイムが比較的短いためです。
いくつかのPOP種類を用意し、バイヤーや各小売担当者と一緒に相談して決めてから制作、というスタイルも、“小売店の方々と一緒に売り場やブランドを育てていく”といった関係を築いていくキッカケにもなりやすく、良策かもしれません。