ふと振り返ってみると、
いままでのビジネス年数のうち、
なんだかんだライセンスビジネスに関わった比率ってけっこう占めてるなぁと思い、
やっぱりそれってライセンスビジネスっておもしろいからなんだ!
と辿りついたので、あれこれと・・。

そもそもライセンスビジネスって?
ライセンスビジネスとは、
著作物や商標の権利者(ライセンサー)が他企業(ライセンシー)とライセンス契約を結び、
ブランドやキャラクターなどのコンテンツを使用する権利を提供するビジネスのこと。
私はこれまでに、
ライセンシーとして約100コンテンツ、
ライセンサーとして約40コンテンツを取り扱ってきました。
どちらの立場も経験したことで実感しているのは、
どちら側もおもしろい!
でも、「ちゃんとしくみを理解して、ちゃんと設計して進めないと、(もちろん、利益もですが)損失やリスクもなかなかのボリュームになるよね」ということ。
ライセンシーとしての面白さと戦略
ライセンシーの場合、
ライセンスコンテンツのプロモーションやブランディングは、
基本的にはライセンサーが担ってくれるからこそ、
自社では、仕様設計・販路・タイミングをどう調整するかに集中できるのが醍醐味です。
つまり、“どう作るか”と“どう売るか”に戦略を注ぐことで、
ライセンスの価値を最大限に活かせるのです。
自分たちの商品が、強いブランドの世界観に乗っかって広がっていく──
これは単なるOEMやPBにはない、ライセンスならではの魅力です。
よく聞かれる2つの質問
Q1. 「どうやってライセンスって取るの?」
答えは一言では難しいですが、
魅力のあるカテゴリー、特徴的な商品企画を提案できると、かなり有利です。
あるいは、
そのカテゴリーにおいてそこまで企画競争力がなくて他企業からでも提案があり得る場合は、
特徴的な“販路”を提案の前面に押し出されるのもおススメです。
特に人気の高いブランドやキャラクターの場合は、
「既存のライセンシーとのバッティングがないか?」をライセンサーが気にするため、
自社の得意な販路を提示するのは大きなアピールになります。
「ライセンシー」からの申請販路が特徴的で魅力的であるなら、
同カテゴリーの既存「ライセンシー」と調整してくれたり、
既存「ライセンシー」からのサブライセンスというスキームを考えてくれる場合もあります。
Q2. 「どれくらいの費用がかかるの?」
ケースバイケースですが、
ロイヤリティ率の目安としては…
- ライセンサーと直接契約:上代の5〜8%
- サブライセンス契約:上代の7〜12%
※一概に、直接ライセンスの方が安いから良いということでもなく、「ライセンサー」と築き上げてこられた信頼関係も影響し、「ライセンシー」からのサブライセンスの方が許諾アイテムが多く得れたりということも少なくありません。
また、直接のライセンス、あるいはサブライセンスかによって、MG(ミニマムギャランティ)などの条件も変わってきますので、どういった経緯で対象コンテンツにアプローチしていくか、もカギになってきたりします。
ブランディング視点から見るライセンスビジネスの可能性
ライセンシービジネスを進める中で、強く実感していることがあります。
それは──
「ブランディングされているものは、許諾が得やすい」ということ。
たとえば、販路や商品のユニークさに加えて、
- どんな価値を誰に届けたいのか
- どんな世界観・トーンで展開されているのか
- そのブランドがユーザーにどんな印象を残しているか
──といった「ブランドとしての整い方」は、
ライセンサーからの評価に直結します。
つまり、ライセンシーとして「選ばれる側」に立つには、
“売れる仕組み”だけでなく、“伝わる設計”ができているかが重要になるのです。
この点でも、ブランディングを商売の中に組み込む
『しくみブランディング』という考え方は非常に有効です。
気になる方は、以下もぜひご覧ください。
💡さらに深掘りしたい方へ:
「ライセンシーとして“選ばれる”には、どんなブランディングが有効なのか?」
ライセンス許諾を得るために必要な“整え方”や“伝わる設計”について、
実践視点でまとめた記事を公開しています。
まとめ:ライセンスビジネスを“しくみ”として楽しもう
ライセンスビジネスは、
商品や販路の選び方、交渉の仕方、ブランディングの整え方によって、
まったく異なる成果を生みます。
だからこそ、「感覚」だけでなく、
ちゃんと“しくみ”として理解して設計することが大切。
ライセンシーとして参入する場合も、
「どう売るか」「どこに届けるか」だけでなく、
「どう見せるか」「なぜ選ばれるか」を含めて準備していくと、
その面白さと成果は何倍にも広がっていくはずです。
次回はライセンサーの立ち位置から、ポイントをあれこれと。