店舗経営におけるブランディング停滞とは
サロンやカフェ、小売店、ホテルなど、店舗を経営しているとこんな声をよく耳にします。
- 「最初はうまくいっていたのに、最近伸び悩んでいる」
- 「ブランドとして次の一手が見えない」
創業期には理念やコンセプトを掲げ、内装や看板、ロゴ、メニューなどに反映しながら必死に走り抜けます。
それ自体は大きな強みです。
しかし、軌道に乗って安定期に入り、多店舗展開や新サービスを考え始めたタイミングで、成長が止まったように感じる“頭打ち”現象に悩む店舗は少なくありません。
👉 店舗以外でも、中小企業では事業や商品がバラバラに見え「整理できない」と悩むケースがあります。その突破口となる視点については、こちらで詳しく紹介しています → 中小企業のブランディングは“目利き”で整う

停滞の原因は「ハード×コンセプト」のままだから
多くの店舗が抱える共通の原因は、創業期の「ハード×コンセプト」のまま走り続けてしまうことです。
立地や建物の構造、内装や人員などのハード面は変えにくい要素。
「ここを変えられない」と考えると、新しい戦略や施策が動きにくくなり、結果としてブランド全体が停滞してしまいます。
「ハード」と「ソフト」を分けて整理する
そこで重要なのが、店舗を「ハード」と「ソフト」に分けて整理することです。
- ハード:立地、建物、内装、設備、人員など(変えにくい要素)
- ソフト:サービス内容、商品ラインナップ、接客、体験設計、販促施策など(柔軟に変えられる要素)
「ハード」と「ソフト」を切り分けると、経営者は“変えられないこと”に縛られるのではなく、“変えられること”に注力できるようになります。
この視点転換こそが、停滞から抜け出す突破口になります。
👉 ソフト整理を“商売の流れ”に組み込むことは、売上に直結する「儲かる型」ブランディングの第一歩でもあります。詳しくはこちら → 中小企業のブランディングはどう落とし込む?仕組みで実現する“儲かる型”
削る・尖らせる=ブランド再構築の第一歩
ブランド再構築は、新しいものを足すよりも、むしろ削って尖らせることから始まります。
- すべての顧客層を狙うのではなく「届けたい顧客層」を絞る
- すべてのメニューを残すのではなく「強みを示すメニュー」に集中する
- 競合と似た部分をなくし、差別化できる部分を前面に出す
この“整理”を進めるだけで、ブランドは再び動き出します。
👉 「削る・尖らせる」を判断するときには、商品やサービスをどう“選んできたか”という目利きの視点が役立ちます → 中小企業のブランディングは“目利き”で整う
実例:老朽化した施設がソフト整理で売上改善
実際にご相談いただいたファスティング施設の例をご紹介します。
この施設は1拠点から始まり、予約が埋まるほど人気になったため、順次施設を増やし、現在では3拠点を運営していました。
ただし、最初に建てた施設は老朽化が進み、新しい施設と比べると見劣りする状況に。建物ごとの差別化はできていたものの、次の成長戦略が見えず、頭打ち感が出てきていました。
そこで私が取り組んだのは、3施設それぞれを「ハード」と「ソフト」に分けて整理すること。
まずは全体に共通する“ソフト”を整理し、その上で施設ごとに少しずつアレンジを加えて落とし込みました。
さらに「サービスパッケージ」をコンセプトごとにまとめ、それぞれの体験を打ち出すLPを制作し、
「この体験ができるのはこの施設です」と明確にしました。
その結果、もっとも老朽化していた施設でも、広告費に対する売上比率(ROAS)が100〜200%から700〜800%に改善。
「古い施設だから厳しい」という経営者の悩みを、ソフトの整理+LP活用で大きな成果に変えることができました。
外注を活用してブランド施策を加速させる
「削る・尖らせる」を進めた後は、外注を活用して推進力を高めるのも効果的です。
自社で手が回らない部分をプロに任せることで、ブランド戦略の実行スピードが一気に上がります。
大切なのは「誰に頼むか」よりも「どう進めるか」。
👉 外注の具体的な進め方や、失敗しないための整理方法についてはこちら → 中小企業のブランディングは外注できる?失敗しない“進め方”のポイント
まとめ|停滞から脱却する第一歩は“整理”から
店舗経営のブランディングが停滞する原因は、創業期から続く「ハード×コンセプト」に縛られてしまうことにあります。
「ハード」と「ソフト」を分けて整理し、削って尖らせることでブランドは再び進化できます。
さらに必要に応じて外注を取り入れることで、推進力を高めることも可能です。
停滞を感じたときこそ、“整理”から始めることが大切です。
「自分の店舗にも当てはまるかもしれない…」と感じた方へ。
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現状を一緒に整理し、店舗ブランドの次の一歩を見つけましょう。