「商品がいいのに、なぜ売れないんだろう?」
こうした声を、数え切れないほど聞いてきました。
実はその多くが、“売れる商品”の考え方を見誤っていることに原因があります。
商品の良し悪しを判断するのは、あくまで「買う人」。
そしてその前に、買う人の目に“触れるかどうか”が大前提になります。
つまり、どれだけこだわって開発した商品でも、
・売り場に並ばなければ買われないし、
・買われなければ評価もされない、
ということです。
そこで本記事では、商品展開を見据えた方のために
「売り場に並ぶことを前提にした、商品とパッケージの考え方」
をお届けします。
商品企画の“起点”がズレている?
商品開発を進める際、よくある順序は以下のような流れです。
- こんなコンセプトの商品を作りたい!
- パッケージデザインを考える
- 工場に見積もりを取る
- テスト販売 or OEM発注
一見、自然な流れに見えますが、
この順序だと「売れる商品」にならないケースが非常に多いのです。
なぜかというと、“売り場の基準”が入っていないからです。
たとえば:
- サイズが規格に合っていない
- 成分表記やコピーが薬機法的に不備がある
- パッケージが並べにくい形状・素材になっている
など。
これらは、バイヤーが商談の段階で気にする“最低限のチェック項目”です。
その段階でNGが出れば、どんなに魅力的な商品でも店頭には並びません。
パッケージはデザインだけじゃない
「パケ買い」なんて言葉もあるように、デザインは重要です。
ただ、店頭に導入されるパッケージには、他にも満たすべき条件があります。
- 棚に並べやすいか
- 裏面表示が適切に構成されているか
- 他の商品と一緒に陳列した際に埋もれないか
- 表現に薬機法NGがないか
特に化粧品の場合、薬機法違反に関する表現があると、
バイヤーから「この文言だけは修正しておいてね」と指摘されることもあります。
つまり、デザイン性と同時に「売り場で通る基準」をクリアすることが必要なのです。
逆算の視点を持つことで、商品が「流通に乗る」
「このデザインどう思いますか?」という相談の多くが、
すでに「工場とのやりとりが進んでいて、今さら戻せない」段階だったりします。
でも本来は、その前に:
- どの売り場を狙うのか
- バイヤーは何を重視するのか
- ライバル商品とどう並ぶか
などを踏まえて“売れる前提”で企画するのがベストです。
企画・パッケージ・製造設計までを「逆算型」に変えるだけで、
商品は“バイヤーの選定対象”になり、
売り場に並ぶ確率が格段に上がります。
まとめ:Vol.1のポイント
- 売れる商品の出発点は「売り場」である
- デザインだけでなく“売れるための機能性”を満たすパッケージが必要
- 商品企画の段階から「店頭に並ぶ」ことを想定しておく
次回Vol.2では、
「卸価格」や「利益設計」をどう設定すべきか?
を、実例を交えながら掘り下げていきます。
【Vol.2】価格戦略の基本|卸価格・利益設計のリアル