連載|波を作るブランディング #01:「一発勝負」から卒業する発想

ブランディング全般

かれこれ16年くらい、中小企業向けのブランディングに関わっていると、
一度きりの大きな告知よりも、何度かの小さな波の方が、ブランドの“気配”は伝わったり・・
そう気づいてから、プロモーションに対する考え方がガラリと変わったのですよね・・。
そのあたりについて、「しくみドコロ」らしく、あれこれと。

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プロモーションや商品リリースは、つい「一発で話題化させよう」としてしまいがちです。
けれど、現実はそううまくいきません。

むしろ大切なのは、小さくてもいいから“波”を継続的に起こし続けること。
「またやってる」「なんだか動いてるな」と思ってもらえることが、持続的なブランドの信頼や成長感につながります。

今回は、“波をつくる”という視点で、ブランディングを仕組み化する考え方をお話しさせて頂こうかなと。

一度きりのプロモーションは、たとえ成功しても効果は一瞬。
たとえばSNS広告でバズって一時的に注文が増えたとしても、ブランドそのものが印象に残らなければ、それはただの「通りすがりの買い物」です。

中小企業にとっては、一度の勝負で終わらず、“思い出してもらえる存在”になることが何より大切。
そのためには、何度もユーザーの目に触れる“リズム”を持つことが重要ではないかなと。

ユーザーにとって、「また新しい企画をしている」という“気配”は、ブランドへの期待感や信頼感につながります。
特にSNSやメルマガ、オウンドメディアのような日常的なタッチポイントで“波”が起きていると、ブランドが「生きている存在」として認識されるようになります。

そしてもう一つ大きいのが、“波”は社内や関係者のモチベーションにも直結すること。
「次の企画が動いている」「また何か仕掛けようとしている」というリズムがあることで、チームに前向きな流れが生まれ、活気が出てきます。

人は「継続的に活動している存在」に安心感を覚えます。
たとえばSNSが半年以上更新されていないブランドを見ると、「まだやってるのかな…?」と不安になりますよね。

逆に言えば、継続的に“波”を起こしているブランドは、それだけで信頼されやすい。
これは、いわば“ブランディングの土台”とも言える要素です。

“波をつくる”という考え方は、プロモーションや企画販売を単発で終わらせず、ブランドとの関係を少しずつ深めていくための仕組みです。
特別な予算や奇抜な施策でなくても、「続ける」「リズムを持つ」だけでブランド力は積み上がっていくと、日々実感しています。

次回は、「プロモーションや企画をどう“つなげて”いくか」という視点から、波を仕組みに変える方法について、「しくみドコロ」らしく、あれこれと。

👉連載|波を作るブランディング #02:「つながり」で記憶されるプロモーション